日本電気硝子
日本電気硝子社は、滋賀県大津市に本社を置く硝子メーカーです。フラットパネルディスプレイ(FPD)用硝子の大手のメーカーであり、特に液晶用ガラス基板の分野では世界の生産量の2割を扱い、米コーニング、旭硝子をトータルした3社の世界生産の占有率は90%以上あります。日本電気硝子社は、1949年の開業以降、50年もの月日を越えて、集中してガラスの技術向上を追求し、時代が求める斬新な製品を開発・供給してきました。日本の事業場を主に、需要に対応して世界の市場に事業拠点を設立し、さらには市場構造の移り変わりに対応して事業構造の転換を進めてきました。日本電気硝子社は、1949年(昭和24年)に日本電気から分離独立し、真空管に使用するガラスや管ガラスを手吹きで製造しました。1951年に、ダンナーマシンによるガラス管の自動成形に成功、1956年にタンク炉を用いて連続生産に移行し、管ガラスによって事業基盤を築き上げました。1965年に、ブラウン管に用いるガラス事業に進出。その後、国内のテレビならびに、ブラウン管産業の発展とともに拡大してきました。前後して、結晶化ガラスや建築に用いるガラスブロック、電子部品用ガラス、ガラスファイバ等の製造を開始し、ブラウン管に使用するガラスを主体とする世界有数の特殊ガラス製造業者に成長しました。日本電気硝子社は、90年代に入ってブラウン管製造企業の国外への展開や世界需要の広がりに応じて、世界規模で生産体制を整えました。また、90年代後半より平面ディスプレイが勢いを増す中、フロート法を使用したPDPに使用する基板ガラスやオーバーフロー法を使用したLCD用基板ガラスの生産をスタートしました。2000年代以降、フラットパネルディスプレイ(FPD)市場の急速な成長・拡大、ブラウン管向けガラス市場の急激な縮小に応じて、事業構造の転換を行うとともに、FPD用途の基板ガラスの大型化や高品位化、薄板化など年々高度になる市場の要求に対応しています。また、「次世代ディスプレイ」「エネルギー」「新照明」「医療」等の成長期待分野で積極的な研究開発や事業展開を推進しています。日本電気硝子社は、耐熱性能、機械的強度、電気的特性等の特質を活かし、建築用や家庭用品、医薬用品などに商品を提供しています。建築に使用するガラスでは、多くの種類のガラス材質と成形・加工技術をベースに、ガラスブロックや結晶化ガラス建材、防火設備用ガラス、放射線遮蔽ガラスなど、性能とデザインの両方から独自の製品を販売しています。